差をつける一言ビジネス英会話

ネイティブが使う簡単表現100選

003 外国人も「〇〇さん」と呼ぶべき?

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米人同僚によく質問されるのが、日本語の敬称「〇〇さん」の使い方です。

日本人の中には、日本人同士間でのみ使うだけの方もいれば、米人に対して使う方もいます。それが「Johnさん」と名前についたり、「Smithさん」と苗字についたりするので、それに困惑する米国人もいます。これは稀なケースかもしれませんが、「さん」をつけられると、階層社会を連想させられるので不愉快だという英国人の同僚もいました(これについては私から訂正しておきましたが。。苦笑)。

基本的にアメリカのビジネス社会では、上司でもクライアントでも名前(ファーストネーム)の呼び捨て、例えば、

  • John

などが基本なので、特別な事情がない限り、あえて「さん」をつける必要はありません。もちろん、さん付けで呼ばれたいという、本人のリクエストがあれば別です(たまにそういう物好きな米人がいます。笑)。

念のため、とりあえず初めは「Mr/Ms 苗字」で挨拶するという戦略もよいかと思いますが、最初からファーストネームで呼んでしまっても、よっぽど特殊な環境(軍隊、著名人、大企業のトップ等)にいない限り、少なくともアメリカでは失礼にあたることはまずありません。直接会って自己紹介する場合は、たいてい相手から、

  • Hi, I am John. Nice to meet you. (こんにちは。ジョンです。初めまして)

と、ファーストネームで自己紹介してきますので、それ以降は、本人の希望通りファーストネーム(あるいはニックネーム)で呼ぶのが礼儀です。Email でも、文末にファーストネームで署名していたら、こちらもファーストネームに切り替えた方がよいでしょう。

また、日本人間では、ビジネスの場合であまりファーストネームを使わないため、自己紹介で、

  • I am Tanaka.(田中です)

と、苗字で自己紹介をされる方をたまに見かけます。下の名前はほとんど使わないので、苗字を使いたいということでしょうし、西洋社会ではとくに形式にとらわれずに、各自の希望を優先する文化がありますので、とくに苗字で呼ばれたいと希望する場合には、それはそれでよいと思います。ただ、その場合、例えば、以下のように、説明を少し入れておいたほうが良いと思います。

  • Please feel free to call me Tanaka. I rarely use my first name.(どうぞお気軽にタナカとよんでください。下の名前はめったに使わないので)

「タナカ!」などといった、苗字の呼び捨ては、英語でも日本語同様、よっぽど親しいか慣れた間柄でないと失礼になります。なので、「Tanaka です」と自己紹介をされた側のアメリカ人は、「Tanaka」と苗字で呼び捨てしてよいものか迷います。そして、それが気まずいと、「Tanaka-san」と呼ばざるを得なくなり、これがあまり好きでない米人には、日本文化の押し付けと映ってしまう場合があるので、少し気をつけた方がよいかもしれません。(アメリカではよっぽどフォーマルでないと「Mr. 〇〇」は使いません)。

バブル期には日本文化の押し付けもある程度許容されていたようですが、日本低迷が久しい昨今、「Mr. Tanaka」か「Tanaka-san」と呼んでくれと、米人に強要するのは、よっぽどビジネスでこちらが優位に立っていなければ難しいと思います。どうしても苗字を使いたいという場合は、少なくとも、呼び捨てでもいいので苗字で呼んでほしい、と下手に出た方がよいのかなと個人的には思います。