043 「NDA」は何の略?
「NDA」(エヌディーエー)と言われたら、ビジネスの世界ではたいてい、
- Non Disclosure Agreement(秘密保持契約)
の略です。これは秘密保持契約(守秘義務契約)のことで、
- CDA(Confidential Disclosure Agreement)
と呼ばれたりもします。
アメリカでは、工場見学、ビジネス交渉等に入る前に、まず守秘義務契約にサインしてくれと言われることがよくあります。その場でつきつけられて、よくわからずにサインしてしまい、日本に帰国した後、法務部に怒られたなどという話もよく聞きます。
余談ですが、日本企業は、欧米企業に比べると、契約回りや法務のつめが甘いとよく言われます。確かに、日本で商談を始める前に、まずはこちらにサインしてくださいと言われることはあまりないですよね。西洋、特にアメリカは契約社会です。他民族が共存するアメリカでは、まさかそんなことはしないだろうという常識や信頼関係だけを頼りに、貴重な情報を他人に開示するようなことはまずしません。ですので、反対に、こちらから自社の秘密情報を開示する際にも、まずは NDA にサインしてもらった上で開示するのが無難です。
ただ、既に経験されたことがある方も多くいらっしゃると思いますが、たいてい、NDAをサインする前に、両社の法務部がその内容をチェックしますので、修正が必要な場合には両社の法務部が交渉するなどして、NDA の締結までに時間がかかってしまうことがよくあります。しかし、ここで面倒くさがってはいけません。商談時に提供した情報を不当に使用されたといった内容の訴訟は、米国に限らず日本国内でも少なからずありますので、将来の紛争を避けるためにも、また、後々社内で責任問題に発展することのないよう、秘密情報を開示・受領する際には、事前に NDA を結んでおくことが望ましいです。
と、少々固い話になってしまいましたが、ここで話をビジネス英会話に戻すと、例えば、技術情報や新規ビジネスなどの機密情報を交換する目的で交渉、あるいは工場見学等を目的に出張する際には、下記の例文のように、NDA を事前にEmailで送ってほしいとリクエストしておくのが無難です。
または、自社の NDA の雛形があれば、それを事前に相手方に送って事前にサインしてもらっておくとよいでしょう。