054 英語版「リストラ」vs「クビ」
会社が経営不振で再構築を理由に人員削減を行うことを「リストラ」するといいますよね。リストラは、ご存知、再構築を意味する「Restructuring」からくる和製英語です。
英語では、このような状況で解雇された場合、「lay off」(レイオフ)というフレーズを使い、
- I have been laid off.(リストラされたよ)
のように表現するのが一般的です。このリストラ、アメリカではとてもよくある話で、パフォーマンス(能力)が理由というわけではないので、恥ずかしがることもなく、気軽に話す方も多いです。ただ、やはり気持ちのいいことではないし、経済的・精神的にインパクトの大きい話ですので、相手がその話題を始めない限り、間違っても、「I heard that you have been laid off!」(リストラされたんだってね?)などとこちらから聞き出すようなことはしないほうがいいです(笑)。
一方で、パフォーマンスが悪さや不祥事を理由に解雇された(クビになった)場合は、
- I have been fired.(クビになったよ)
と「fire」を使います。これはご存知「火」を意味する英語で、動詞で「クビにする」という意味もあります。トランプ大統領のテレビシリーズ「The Apprentice(実習生)」の決め台詞、
- You're fired.(お前はクビだ)
を覚えている方もいらっしゃるかと思いますが(笑)、こちらもよく使われるフレーズです。
(画像はお借りしました)
この「Lay off」と「Fire」の違い、かなり明確に意識して使われているようですので、リストラされた人に「Fire」のような単語を使うことのないようにしましょう。上述の通り、リストラはとてもよくあることなのですが、如何にアメリカといえど、クビはそう頻繁にあることではありません(職種にもよるかもしれませんが)。たいてい、従業員をクビにする前に、転職先を探すために数か月間猶予を与え、クビでなく辞職させてあげるようにしたり、などの配慮をする会社も少なからずあります。
ちなみに、映画等で見たこともある方も多いと思いますが、リストラ又はクビになった従業員が、知らずに朝出勤すると、入口で警備員にその旨通告され、デスクまでエスコートされて段ボール箱に私物を詰めされられ、そのままエスコートされてオフィスから追い出されるということは、実際によくある話です。とても残酷なのですが、会社の機密情報を持っていかれたりダウンロードされたりすると困るので、会社側もこういう手段に出るらしいです。