差をつける一言ビジネス英会話

ネイティブが使う簡単表現100選

029 「As soon as practical」とは?

f:id:chondromalacia:20180926194352j:plain

 

前回、「ASAP(As soon as possible)」について触れましたが、この記事をまだご覧になっていない方は、まずはこちらをご一読ください。

www.businesseikaiwa.work

この「できるだけ早く=大至急」を意味する ASAP を、もう少しやんわりと言いたい、ということはありませんか?その場合、よく使われるのが、

  • as soon as practical

です。「現実的に可能な範囲で」といった意味になります。As soon as possible だと、字義上は、「寝る暇もトイレに行く暇も惜しんで」というくらい大至急という意味ですので、できれば使いたくないフレーズではあります。

 

例えば、相手の手元にある資料を大至急 Email で送ってくれ、などというシチュエーションでは、まだよいのですが、作成中の報告書をいつまでに仕上げなければいけないか、などと聞かれたときに、「ASAP」と回答してしまうと、そう言われた相手によっては戸惑ってしまうかもしれません。相手が、自分のペースで ASAP ならよし、と都合よく解釈して、もちろん寝るときは寝るし、食べるときは食べるし、と大してストレスに感じない人(アメリカ人にはこのタイプが多めです。笑)だといいのですが、勤勉な日本人のようなタイプですと、ASAP と言われると、徹夜を続けてでも完成させようとしてしまったりするかもしれません。

 

そんなときには、「possible」(可能)を「practical」(現実的に可能)に置き換えることで、「当然寝るなり食べるなりトイレに行くなり、必要なことはした上で=現実的に可能な範囲で」という意味になります。また、これと同様に、「合理的な」という意味の Reasoble を加えて、

  • as soon as reasonably possible

と言ったりもできます。ただ、あまりやんわりとリクエストしてしまうと、急いでくれなくなってしまう人もいますので(笑)、この辺は相手を見ながら使い分けるのがいいかと思います。

 

余談ですが、とても心優しい仙人のようなアメリカ人上司と仕事をした際、顧客の「ASAP」との要望で、大至急、徹夜してでも、仕事を完成しなければならない事態に陥ったことがあります。この上司は、基本、徹夜や深夜残業などを部下にさせることを嫌がる方だったのですが、この時ばかりはいた仕方なく、私を会社に残して郊外の自宅に帰っていきました。日本人の私は、そんなのはどうってことはなかったのですが、上司は、どうしても心配だったようで、ご飯は食べたのか、せめてご飯くらいは食べてくれ、と夜中に何度も電話をくれたのが、いまだに忘れられません。笑。